次々とカフェやチェーン店が出てくる広島市内(とはいえ、本通付近)では大衆食堂はもはや絶滅危惧種。大好きな食堂がどんどん閉店して、余儀なくランチ難民(すなわち、よくある11時~14時のランチタイムに間に合わなくて空腹で街をさまよう人々、または行けつけのお店がなくなってどこで外食するか悩む人々を指す言葉)となったフードスノブ。しかし、そんな絶望的な状況におかれた自分に一筋の光が。食堂の最後の砦が。その砦は立町の「みよし食堂」である。

ショーケースには色あせた食品サンプル、となりには力強い文字で書かれた手書きメニュー表、そして扉の前では藍色ののれんが風に踊らされている。間休みがないため、いわゆるランチタイムもなく、またまた朝食を抜いて空腹の限界で15時に来店した私にとっては大変ありがたいお店。店内は昭和ちっくでシンプル。裏に一品料理が入ったショーケースもあり、席に着くと店員のかわいらしいおばちゃんが「お水とお茶、どっちがいい?」と聞いてきた。こういうやりとりはなんか和みますね。冬の寒さがまだ残る日曜日の午後。お茶をお願いして、カツ丼を注文。

ここのカツ丼はサービス品で¥550(税込み、味噌汁付き)というコスパ最高&腹ペコさん大喜びの人気メニュー。そして驚くほどスピーディーに提供。大きな丼の中には揚げたてのカツが隠れるほどの黄身と白身がまだらでいい感じにとじた玉子に青ねぎと玉ねぎが・・・!家庭料理の代表、空腹を確実に満たす料理の代表、ザ・カツ丼だ。食堂らしい濃い目の味もまた良い!その濃いつゆがご飯にしみ込んで最後の一粒まで美味しい。もう、箸が止まらない。味噌汁のことをすっかり忘れてた自分は気がつけばカツ丼の半分を平らげた。味噌汁にはわかめとお豆腐がたっぷり入って優しいお味。後ろの席で早めの晩酌を楽しむお客さんが元気よく談笑。店内に昼の情報番組が流れて、平和な午後だ。

定食にラーメン、やきめしにオムライス、そして冬にはカキフライなど、王道な食堂料理が並ぶみよし食堂。食べ終わるとお腹だけではなく、心も満たされた気分。地域のみんなが集まって飾らない美味しいご飯とお酒を楽しむ場所。それこそが食堂の魅力。食堂文化が失われつつ現代の日本よ、その魅力を再発見する時は今!一緒に食堂絶滅を阻止しましょう!

みよし食堂

住所:広島市中区立町1-12

営業時間:10時30分~20時< 定休日:年中無休

Tel: 082-247-9990

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