スパイスが異常なほど好き。キッチンにパプリカやターメリック、クローブ、カルダモン、出身地メリーランドの名物スパイスブレンド「オールドベイ」など、たくさんのスパイスが棚に入りきれないほどある。だからスパイス愛好家として自信を持って宣言します。スパイスを熟知してるnandiのカレーは期待を裏切らない、本物の味だ。[英語]

食べること大好き仲間と一緒にnandiに到着したのは三連休の中日だった。お店の前で先客5人の男性が仲良くメニューを見ながら今日何にする?とわいわい盛り上がった。nandiはアイボリーの壁にシンプルなお牛さんの絵が印象的な小さなお店である。しばらくすると店内に案内され、厨房がよく見えるカウンター席へ。窓から光が優しく差し込む店内にスパイスのエキゾチックな香りが充満して、スパイス好きにはたまらない。ゆっくりと深呼吸して隣のお客さんが食べてるカレーをふと見るとものすごく美味しそう。カウンター裏で店主がターメリックとマスタードシードで美しい金色に輝くライスを慣れた手つきで皿に盛って次々と注文を作っていく。

メニューに写真と各カレーの特徴をコンパクトに説明する一言が添えられ、悩んだ末に「ふゆのビンダルー」とチャイをチョイス。仲間が定番のバターチキンカレーにやっぱりチャイを。

カウンターから見えるコンロの上に長年使い込まれたナベの中に深いあめ色からバターに少し赤がプラスされた淡い赤茶色のカレーがぐつぐつ言いながら器を待つ。飲食店のナベを見るとそのお店の性格が分かるような気がする。長時間じっくりと火にかけ続けたnandiのナベは黒くて、中には深いコクと上質な油が染みこんでる。ナベこそが信頼できるお店の証。

深い赤みのあるあめ色が白い器に映えるふゆのビンダルーにはスプーンで切れちゃうほどほろほろに柔らかく煮込んだブタ肩ロースの塊が入って、細かくみじん切りされたにんにくや玉ねぎがルゥにとろみとほどよいざらつきをプラスして、ちょっと固めに炊いたライスとの相性が抜群。甘味と辛味を美しく調合した絶妙なスパイスバランスがお酢で更にコク深く。カレーを一口食べてからはライスを頬張る、またカレーとライスを一緒に食べて、次は添えられた自家製の漬物を、と味の変化を愉しむ。カレーが来るまで喋りっぱなしだった私と仲間を一瞬で無言にしたこのカレーの美味しさよ。

そしてチャイがやってきた。言っておくけど、私はチャイにかなりうるさい人間です。市販のチャイに不満と怒りを覚えた私は自らスパイスを調達して納得いくチャイが作れるまで長年試作を繰り返し、やっと満足するチャイの作り方に成功。しかし相手はnandiだ。あの衝撃的に美味いビンダルーを生み出したnandiなら大丈夫だと、期待してもいいんだよと思った。しかし私は間違った。かわいいエナメルポットで出されたnandiのチャイは私の期待を遥かに超えた。軽々と超えやがった。ガラスに注ぐそのキャラメル色のチャイにはシナモンやしょうが、クローブなどの香りがパッとはじけてから甘い余韻を残す。こんなにも完璧な最後はあるのだろうか?参りました。

小町の一角にスパイスが漂う場所がある。スパイス愛好家も、カレー好きも集う聖地が。余計なことはしない、余計なものを入れない、本物にこだわり続けるお店nandiがある。

ん?バターチキンカレーの話はって?それはね、無論美味しかったよ。でもその感想はあえて載せない。それは食べてみれば分かるからさ。ほら。行ってみ。感動させるカレーが待ってるよ。

nandi

住所:広島市中区小町6-20

営業時間:11時~22時(木曜日はカレーがなくなり次第終了、詳しくはFacebookをチェック)

定休日:月曜日(営業スケジュールもFacebookでチェック)

Tel: 082-249-4511

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