こんなところ広島市街にあったっけ?
ふと、そんなことを感じてしまうほど静かで、深緑の美しさに思わず、ぼ~っとしてしまう。
雨音なのか、境内に流れる水の音なのか、聞こえてくる水流の音に耳を澄ませる。
三滝山の谷間に位置する三瀧寺は、三瀧観音として親しまれる真言宗高野山派の由緒ある古い寺。
水流の異なる三つのせせらぎが響き、その各水流が滝を有していることから「三瀧寺」と呼ばれ、昔から地元の人々の憩いの場として知られている。
本堂へと続く道に、「三鬼権現堂・鎮守堂・鐘堂」がある。
本堂へ行きかう人々が鳴らす鐘の音が境内に響き渡る。
※「帰り道に鐘はつかない様に。帰るときに鐘をつくとお参りしたご利益がなくなると言われている」とあります。
あとに見えてくるのは、
平安様式の枠を集めた簡素で優美な本堂。
観音本堂の建設年代は不明であるが、鎌倉時代の人が本堂を修築したことが記録に残っているようだ。
第二次世界大戦時に広島に落ちた原爆で半壊したが、その後の修築工事により現在の姿に至る。
本堂へお参りした際には、必ずご朱印帳にも旅の思い出に跡を残して欲しい。
人も多くないため、間近でその美しい筆さばきを眺めることができるのも嬉しい。
境内の石仏は、500体余りを数える。
石碑の中には、原爆と第二次世界大戦死没者の慰霊碑や、
詩や和歌、俳句など多方面にわたり、長年訪れる人に深い感慨を与えてきた。
綺麗な緑の中で、ホッと一息つける場所が何ヶ所かある。流れる滝をただボ〜っと眺めるのは今の時期しかできない。
(冬は寒すぎる。)
紅葉の時期にまた訪れることを楽しみに、寺を後にした。